ROLEXデイトナ
1930年代末、ロレックスはクロノグラフにもオイスターケースの採用を始める。それまでにないタフネスや気密性により、クロノグラフの実用性は大幅に向上したが、1950年代以降高まったモータースポーツ熱は、オイスター・クロノグラフに更なる進化を要請する。 1963年、コスモグラフ・デイトナの登場である。クロノグラフスケールをベゼルに移動したことによりすっきりとした文字盤には、明確な色分けとアプライド・バーインデックスが配され、時代に即したデザインを得ると共に視認性も大幅に改善された。そのムーブメントは古典的名機であるバルジュー72を基とするが、フリースプラングやキフショックの採用、そして細部にわたる丁寧な面取りなど、ロレックスらしい意匠に溢れている。 1960年代末、市場には自動巻きクロノグラフが台頭するが、デイトナの自動巻きは1987年発表のRef. 16520を待たなければならなかった。自動巻きにこだわり、他に先駆けてパーペチュアル機構を実用化したメゾンだけに、意外とも思えるエピソードである。
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